がんを乗り越えた人たちは存在する
「もう治りません」という状態から良くなった方、がんはあるけれどほとんど進行しない方に出会うことがあります。こういった普通では考えられない経過の方は、他の人と何がちがうのでしょうか?
手術のできない進行肺がん。たびたびの再発を乗り越え元気に過ごし、現在すでに15年以上経過。
わたしが直接担当した患者さんではありませんが、印象深い患者さんの例を紹介します。
肺がんの患者さんで、当時の診断でstage IIIbというステージ、5年生存率は10%以下です。転移はなかったものの、がんが広がっているため手術はできず、抗がん剤、放射線の治療を受けました。
一旦はがんが小さくなり、落ち着いていましたが、3年後にリンパ節転移、胸部への転移が見つかります。抗がん剤で改善するも、その2年後にはまた再発。
この患者さんは、現在、診断されてから15年以上が経過していますが、元気に生活しています。肺がんが完全にからだから消えたわけではないですが、落ち着いています。
この患者さんが取り組んだことは?
この患者さんが抗がん剤や放射線以外に取り組んだことは、今までの食事を甲田療法という食事に全面的に変えたことでした。甲田療法は玄米生菜食の食事です。この甲田療法は一種の飢餓療法で非常に厳しいものです。栄養を制限することでがんの進行をふせぎ、がん細胞のアポトーシスを招くことを期待するものです。
甲田療法が本当にがんに効くかどうかはわかっていません。しかし、おそらくこの患者さんには効いた。
実は、食事を見直したり、生活習慣改善に取り組んだりしている患者さんは多くいます。このような例があることを無視せずに、しっかり記録し調べていくことが重要なのです。
[…] 男性。この患者さんは、以前の記事にも紹介しました(「治らない」と言われながらも、がんを乗り越えた人、がんと共存している人)。肺がんには、大きく分けて小細胞がんと非小細胞 […]