がんサバイバー その他

ファイル6 原発不明がん(顎下腺、鎖骨下リンパ節)の再発・転移(肺、縦隔リンパ節)

投稿日:

50代の男性。 

あごの下の顎下腺というところにしこりができて、手術で切除したところ扁平上皮癌というがん細胞がみつかりました。その他、鎖骨の下のところにある鎖骨下リンパ節にも腫れがあり、こちらも手術でとるとやはり扁平上皮癌がみつかりました。

通常、顎下腺やリンパ節のところにできるがんは扁平上皮癌とは異なるので、ここでみつかった扁平上皮癌は他の臓器から転移してきたものと考えられます。今回のように、最初にできた部分(原発と呼ばれます)がわからない場合、原発不明がんと診断されます。

この原発不明がんに対し、顎下腺と鎖骨下リンパ節のところは手術で切除され、再発をふせぐために、顎下腺のある頸部のところは放射線照射を行い、同時に抗がん剤投与も行われました。

ところが、残念ながら手術から1年ほどで肺転移がみつかったため、放射線照射が行われました。肺転移は縮小したものの、その1年後には、今度は縦隔(左右の肺と肺の間の部分)にリンパ節転移がみつかったため、再び放射線照射が行われました。こちらも改善しましたが、その後も再発の心配がありました。しかし、再発予防のための治療があるわけでもありません。

そこで、この方は免疫力の改善のために、自分の食事・生活習慣を見直すこととしました。その後は、毎年画像検査を行っていますが、新たな再発はなく問題なく経過しています。


☆執筆時点で、診断後6年以上が経過しています。再発後からは5年以上です。この方は、再発予防のために自分で食事・生活習慣を見直すこととしました。手術や放射線、抗がん剤で治療されたにも関わらず、他の部位に転移が起こったということは、画像ではわからない微細ながん細胞が残っていたと考えられます。これが再発するかどうかは自身の免疫の働きにかかっています。このケースでは、転移した肺や縦隔リンパ節に対して放射線でうまく治療できていましたが、新たな転移、再発の危険は決して低くありませんでした。

食事・生活習慣を変えたから再発していないのか、そのままでも再発しなかったのか、本当のところはわかりません。しかし、食事・生活習慣を整えることで、免疫に関係するリンパ球数は以前よりも増え、炎症のマーカーであるCRP値は低く保てています。具体的な食事の内容は、野菜・果物などの植物性食品をしっかりとるアルカリ化食(Alkaline diet)を中心として行い、尿pHは8以上のアルカリ性を示すことが多くなっています。

その他に、免疫向上のため丸山ワクチンを行っています。また、抗炎症を期待して、梅エキス、フィーバーフュー茶、紅豆杉茶などもとっています。







-がんサバイバー, その他

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。

関連記事

ファイル7 胸腺がん術後再発、リンパ節転移、悪性心嚢水

60代の男性。健康診断の胸部レントゲン写真で異常を指摘されました。胸腺の悪性腫瘍が疑われ、手術が行われました。心臓を包む膜である心膜への浸潤も認められたため、胸腺切除に加えて、心膜切除が行われました。 …

ファイル8 子宮頸がん術後、多発転移

50代の女性。この方は、肝転移や腹部リンパ節転移、腹部の筋肉の転移、骨転移がありましたが、徐々に改善しています。まだ腫瘍は残っていますが、落ち着いています。子宮のがんには、子宮頸部にできる頸がんと子宮 …

ファイル5 乳がん 手術後再発(多発肺転移)

30代の女性。乳がんと診断され、腫瘍を部分的に切除する手術が行われました。乳がんの手術は、しこりを含めて乳房を全部切除するか、しこりのところだけ部分的に切除するか、大きく分けて2通りの方法があります。 …

ファイル3 悪性リンパ腫(びまん性大細胞型B細胞リンパ腫) 自然改善例

70代の女性。この方は、抗がん剤などの薬物治療を行っていないにも関わらず、改善がみられている方です。長く胃痛症状が続いており、胃カメラが行われました。胃の粘膜がえぐれたような潰瘍状の病変があり、当初は …

ファイル9 進行期(stage III)の肺がん 抗がん剤、放射線後の再発

60代の男性。この患者さんは、以前の記事にも紹介しました(「治らない」と言われながらも、がんを乗り越えた人、がんと共存している人)。肺がんには、大きく分けて小細胞がんと非小細胞がんがあります(この二つ …

Dr. Hamaguchi(医師、医学博士)

  • 日本内科学会総合内科専門医
  • 日本呼吸器学会呼吸器専門医
  • 日本がん治療認定医機構がん治療認定医
  • ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
  • がんの炎症・代謝を考慮したがん治療やがんに関する情報についての発信をしています。

著者紹介はこちら↓

http://dr-hamaguchi.com/author-profile/