がんの自然寛解(しぜんかんかい)とは何か?
がんの自然寛解(しぜんかんかい)とは、「治療なしにがんが消失(不完全な消失も含む)した場合、あるいは、通常がんを消失させるには不十分な治療で消失した場合」と定義されます。要するに、治療にかかわらず、がんが改善した場合を言います。
がんが自然によくなった人たちに共通することは何か?ケリー・ターナーが行った研究報告
ある研究があります。がんの自然寛解例についての論文報告が調べられ、次に、各国のヒーラーや医師、がんが自然寛解した患者さんを対象にインタビューが行われました。そこから、よくなった人たちに共通することが調査されました。
この研究は、著者のケリー・ターナーの博士論文をもとに書籍としてまとめられています。2014年にアメリカでベストセラーになった『Radical Remission』(Kelly Turner)という本です。日本でも『がんが自然に治る生き方』(ケリー・ターナー著)という題で発売されています。
この研究の結論として、「がんを寛解させるためには、それが繁栄する根本的な条件を変えなければならない。」ということを言っています。つまり、がんがつくられてしまった原因、過程を考え、それを正すことが必要だということです。
*この研究でインタビューに参加した数は、ヒーラーや医師が50人、がんが自然寛解した患者さんが20人です。まだ研究の規模が小さく、研究方法も発展させる必要があります。今後も症例を集める必要があるでしょう。
がんがよくなった人たちに共通する9つのこと
1.抜本的に食事を変える
2.治療法は自分で決める
3.直感に従う
4.ハーブとサプリメントの力を借りる
5.抑圧された感情を解き放つ
6.より前向きに生きる
7.周囲の人の支えを受け入れる
8.自分の魂と深くつながる
9.「どうしても生きたい理由」を持つ
これは大きく4つに分類することができますが、実際の臨床現場からみるとどうでしょうか?
・食事のこと(1):経過の良い患者さんに聞いてみると多くの方が食事を変えていることに気づきます。また、食生活を変えることで抗がん剤が効きやすくなることも経験します。もちろん、食事を変えれば治ると言い切れるものではありません。しかし、とても重要なことです。今後さらに検証が必要です。
・どのような治療を受けるか?(2, 3):進行したがんの場合、標準治療の効果には限界があります。ほとんどの場合、その役割は延命になります。そのため、普通は治らない進行期でよくなった方は、治療法を自分で決め、いろいろなことを試している方がほとんどです。一方で、早期がんの場合は標準治療の効果は期待がもてますので、効果の高い治療を行わないことはデメリットにつながるかもしれません。
・薬以外のハーブやサプリメント(4):よくなった患者さんに聞いてみると、何かしらとっていることが多い。薬になっていない自然物質はたくさんあります。古くから健康食品として使われているものなどでよいものもあるでしょう。明らかに害を及ぼすものでなければ、すぐに否定せずに検証していくことが大切です。
・精神的側面との関係(5〜9):がんとこころの関係は他にも報告が多くあります。こころの状態により免疫の働きや害となるストレスホルモンの量が変わることがわかっています。ストレスマネジメントはがん治療にも重要でしょう。
(参考図書、文献)
『がんが自然に治る生き方』
ケリー・ターナー著、長田美穂 (翻訳)、プレジデント社 (2014年)
『Radical Remission: Surviving Cancer Against All Odds』
Kelly A. Turner, HarperOne (2014) 論文:
https://cloudfront.escholarship.org/dist/prd/content/qt3px3w4g9/qt3px3w4g9.pdf?t=mtfvet
[…] 持つ一見すると精神的なものが多くありますが、自分で主体的に治療を行なっていくことが大切ということがわかります。この本については、こちらのページでも以前に説明しています。 […]