がんサバイバーファイルには、基本的に自分自身が診療したケース、あるいは、診療録で確認したケースについて記載します(個人情報保護の観点から、個人の特定につながる可能性がある情報については記載しません)。
進行したがんの場合、がんの種類にもよりますが、5年生存率の平均は10数%となってしまいます(詳しいデータは、国立がん研究センター がん情報サービスで確認できます)。
そして、残念ながら余命が宣告されることも少なくありません。しかし、そのような状況であったとしても、良くなる方がいます。体にはがんが残っていても、あまり進行せずにおとなしくしている場合もあります。
まだ経験の浅かった頃、進行がんの患者さんから何度か聞かれたことがありました。「進行した状態からよくなった人はいますか?」その時は、良くなる例があることをほとんど知りませんでした。
今では、決して多いとは言えませんが、そういう例もあるし、そういった情報の共有がとても助けになると感じています。