がんサバイバー 膵臓がん

ファイル2 膵臓がん ステージIV

投稿日:

60代の女性。

胃痛のような症状があり調べたところ、膵臓に腫瘤がみつかりました。同時にCT検査も行われ、精査の結果、膵臓がん、多発肝転移、ステージIVと診断されました。

膵臓がんの治療成績はまだまだ満足のいく結果にほど遠く、特に他の臓器に転移があるステージIVでは大変厳しい状況が続いています。

全がん協生存率(https://kapweb.chiba-cancer-registry.org/full)で、主要ながん拠点病院のデータをみることができます。それによると、1年生存率で20%程度、3年生存率で3-4%、5年生存率は1-2%となります。

ステージIVでは、抗がん剤治療が行われます。この方は、ゲムシタビン+アブラキサンという抗がん剤の投与が開始されました。4ヶ月後のCT検査では、腫瘍はわずかに残るもののほぼ消失。その後は、副作用のためゲムシタビンだけとなり、さらに投与量も減らして治療が行われています。

膵臓がんの治療成績が悪いのは、たとえ抗がん剤で縮小したとしてもぶり返してしまうことが多いからです。しかし、この方は減量されたゲムシタビンを継続され、悪化の兆候なく経過しています。

☆執筆時点で4年半弱が経過していますが、落ち着いています。

この方が他に取り組んだ主なことは、アルカリ化食(Alkaline diet)、ビタミンCの点滴、糖尿病の治療薬をメトホルミンに変更したことでした。メトホルミンは、がんの代謝を抑える作用が報告されています。







-がんサバイバー, 膵臓がん

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。

関連記事

「治らない」と言われながらも、がんを乗り越えた人、がんと共存している人

がんを乗り越えた人たちは存在する 「もう治りません」という状態から良くなった方、がんはあるけれどほとんど進行しない方に出会うことがあります。こういった普通では考えられない経過の方は、他の人と何がちがう …

ファイル6 原発不明がん(顎下腺、鎖骨下リンパ節)の再発・転移(肺、縦隔リンパ節)

50代の男性。 あごの下の顎下腺というところにしこりができて、手術で切除したところ扁平上皮癌というがん細胞がみつかりました。その他、鎖骨の下のところにある鎖骨下リンパ節にも腫れがあり、こちらも手術でと …

がんの自然寛解、つまり、がんが自然によくなった例についての研究報告

がんの自然寛解(しぜんかんかい)とは何か? がんの自然寛解(しぜんかんかい)とは、「治療なしにがんが消失(不完全な消失も含む)した場合、あるいは、通常がんを消失させるには不十分な治療で消失した場合」と …

ファイル9 進行期(stage III)の肺がん 抗がん剤、放射線後の再発

60代の男性。この患者さんは、以前の記事にも紹介しました(「治らない」と言われながらも、がんを乗り越えた人、がんと共存している人)。肺がんには、大きく分けて小細胞がんと非小細胞がんがあります(この二つ …

ファイル4 膵臓がん 手術後の再発(腹膜播種、腹水)

70代の男性。膵臓がんで手術が行われました(ステージIII)。手術後にはジェムザールという点滴の抗がん剤が行われましたが、およそ1年半後に再発が認められました。腹膜播種と言って腹膜にがん細胞が散らばり …

Dr. Hamaguchi(医師、医学博士)

  • 日本内科学会総合内科専門医
  • 日本呼吸器学会呼吸器専門医
  • 日本がん治療認定医機構がん治療認定医
  • ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
  • がんの炎症・代謝を考慮したがん治療やがんに関する情報についての発信をしています。

著者紹介はこちら↓

http://dr-hamaguchi.com/author-profile/