インターネット専門のニュース・ブログサイトであるハフィントンポストの創設者である、アリアナ・ハフィントンの著書。睡眠を犠牲にして燃え尽きるまで働き、睡眠よりも仕事の成功を優先した結果、絶え間ない疲労の中でついに倒れてしまいます。血の海の中で意識がもどり、幸いにも命に別状はなく、そこから、睡眠の大切さに気付きます。
著者は睡眠の専門家というわけではありませんが、本の実に40%近くが参考文献というように、裏付けをとるために非常によく調べています。本書はとくに睡眠とがんの関わりについて書かれたものではありませんが、健康のためにいかに睡眠が大切かを気づかせてくれます。
スリープ・レボリューション 最高の結果を残すための 「睡眠革命」(アリアナ・ハフィントン著、本間徳子(翻訳)、日経BP 2016年)
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がんを患った患者さんの中にも、睡眠を顧みず、大きなストレスの中で頑張ってこられた方も多くいます。睡眠が重視されない時代であったとも言えるかもしれませんが、これからは病気の予防のためにも、治療のためにも、睡眠を見直すことが大切です。
睡眠不足があると、免疫に関係する白血球やリンパ球の数値が低下していることをよく見ます。十分に休養がとれていると、それらの値が改善することが多い。いずれにしても、十分な睡眠はからだを守る一つの方法であり、軽視できない重要な要素と言えるでしょう。