60-70代の女性。
この方は、抗がん剤などの薬物治療を行っていないにも関わらず、改善がみられている方です。
長く胃痛症状が続いており、胃カメラが行われました。胃の粘膜がえぐれたような潰瘍状の病変があり、当初は胃がんが疑われました。しかし、病理検査により胃原発の悪性リンパ腫(びまん性大細胞型B細胞リンパ腫)と診断され、他の転移のない限局期とわかりました。
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫は悪性リンパ腫の種類の一つで、発生頻度の高い病型です。びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の治療は、通常、抗がん剤治療が行われ、これに放射線療法を併用することもあります。進行例であっても治癒が望める腫瘍であり、限局期なら5年生存率は80%以上を期待できます。
しかし、この方は抗がん剤の副作用を心配し、行わずにまず様子をみることを望まれました。この方が行なったことを下記に書いていますが、驚くことに1年後の胃カメラでは潰瘍状の病変は改善し、消失しています。その後も経過観察が続けられています。
☆5年以上が経過していますが、定期的な胃カメラ検査で病変は消失したままであることが確認されています(治ったかどうかという判断は難しいため、引き続き経過をみていく必要があります)。
この方が取り組んだ主なことは、食習慣の改善でした。具体的には、ケーキや甘いものを頻繁にとっていたのをやめ、野菜・果物をしっかりとるようにしました。食事の変更と共に、尿のpHが7-8に上昇していることが確認されています。また、梅製剤のサプリメントやナツシロギクという抗炎症のサプリメントもとっていました。