30-40代の女性。
乳がんと診断され、腫瘍を部分的に切除する手術が行われました。
乳がんの手術は、しこりを含めて乳房を全部切除するか、しこりのところだけ部分的に切除するか、大きく分けて2通りの方法があります。部分切除の場合、手術後に放射線を行うのが普通です。
この方も部分切除後、放射線治療を受け、ホルモン療法が5年間行われました(現在、ホルモン療法は10年がすすめられています)。
しかし、ホルモン療法も終わり、しばらくしてから咳と息切れが出現しました。CT検査をすると、肺に多発する転移と胸水がたまっていることがわかりました。乳がんの再発と診断され、抗がん剤の点滴が開始されました。
その当時、体力低下が著しく、抗がん剤の副作用である倦怠感や食欲不振、免疫低下(白血球数の低下、リンパ球数の低下)が目立つ状態でした。炎症反応も進んでおり、抗炎症作用、抗酸化作用のある野菜・果物をしっかりとって体調を整えることが行われました。それから、著しい体力低下、免疫低下のため、これ以上の抗がん剤は危険であり、通常量より大きく減量した抗がん剤の投与が行われました。通常であれば、減量投与ではなく、中止になる場合も珍しくありません。
野菜・果物中心への食事に変えて、抗がん剤を減量することで、倦怠感が減り、体力も少しずつ改善し、少しずつ免疫力も回復してきました。減量した抗がん剤がしばらく続けられましたが、その後のCTで多発する肺転移は大きく縮小していることがわかり、抗がん剤は終了となりました。
しかし、多発肺転移はまだ残っています。野菜・果物中心の食生活を続け、自身の免疫が低下しないように注意してみていたところ、その後もCTで肺転移の縮小維持を認め、以降落ち着いています。
☆再発後10年以上経過しています。この方の重要なポイントは、抗がん剤を十分に減らしても腫瘍が縮小し(通常、中止になる場合も多いですが、副作用との兼ね合いで減量投与が選択されました)、さらに、抗がん剤をやめてからも残った腫瘍が縮小し、落ち着いていることです。自身の免疫が大きく関係しているのでしょう。
食事は、活性酸素を減らし、炎症を抑えるためにできる限り新鮮な野菜・果物をとるようにしました。そして、さらに炎症を下げることを期待して青梅エキスやビタミンCの点滴も行なっていました。
抗がん剤治療当時の尿pH値は記録が残っていませんが、ここ数年のデータでは、重曹のような酸を中和する薬剤を飲むことなく、7から8以上に尿のpHがアルカリ化していることがわかります。