医者から情報を得る方法は4つある
医者が情報発信する場は以下の4つです。情報の正確性にはそれぞれ違いがあるので注意が必要です。
① 専門家向けの論文やガイドライン、学会発表、書籍(教科書)
② 一般向けの書籍、セミナー
③ 全ての方を対象にしたブログやSNS
④ 診察
① 専門家向けの論文やガイドライン、学会発表、書籍(教科書)
もっとも正確で信頼性の高い情報です。例えば、論文はジャーナルに提出してから、通常2名以上の専門家のジャッジを受け、それにパスしてはじめて掲載されます。全くでたらめの内容では論文として掲載されません(もちろん、古い論文はその当時の情報となり、正確でない場合も多々あります)。そして、ガイドラインは多くの論文を参考にした上で、専門家によってまとめられたものです。
論文のように厳しくはありませんが、同じく学会発表も専門家の目があるため、信頼性はある程度以上高いものとなります。また、専門家向けの教科書も同様です。
しかし、論文は多くの場合英語ですし、論文、学会発表、教科書はどれも内容が専門的であることから、一般の方にはとっつきにくい情報源かもしれません。
② 一般向けの書籍、セミナー
一般向けの書籍には専門家のジャッジはいりません。そのため、たとえ意見の分かれることであっても、自分が信じることを自由に論じて出版することができますので、信頼性は落ちます。内容の正確性に十分な配慮を払っているものと、それほど注意していないものと差があります。根拠となる論文をしっかり引用しているかどうかがポイントになります。
また、一般向けのセミナーにも通常、専門家のジャッジはありません。やはり、根拠となるデータをしっかり示しているかがポイントです。
③ 全ての方を対象にしたブログやSNS
ブログやSNS、こちらも内容の信頼性はピンキリです。根拠が示された専門的なコメントと、意見の分かれる個人的な見解が混在します。しかし、スピーディであり、幅広い情報を集めることができます。
このブログも、今までの患者さんの診療経過や論文から得られた情報をもとにしていますが、まだ完全に証明されたもの以外の事柄も含んでいます。しかし、情報は発信していかなければ意味がありません。発信することで検証されるきっかけが生まれます。
④ 診察
実際に心配なことがあったり、何らかの症状や異常がある場合には、診察を受けることが必要でしょう。個々の症状や検査結果に応じて説明を聞くことができますので、最も正確な情報です。
診察時間は限られていますので、じっくり話す時間はあまりとれないかもしれません。それでも、なるべく親身になってくれる話しやすい医師がよいでしょう。ときには相性が悪い場合もあります。そういう時は、違う先生を受診するなどして変更してもらうことも必要です。いずれにしても遠慮しすぎる必要はありません。