がんが消えたかどうか、がんが治ったかどうかの判定はむずかしい
がんが消えたかどうか、本当に体の中にがんがないかどうかの判定は実はとても難しいです。CTなどの画像検査では、5mmくらいの大きさのものならギリギリ判定できますが、それより小さいものはわからない。顕微鏡でやっと確認できるレベルのものはわからないのです。
数ヶ月前は問題なかったのに再発してしまったという場合は、体に残っていた微小ながんが大きくなってしまったと考えられます。
がんが治ったかどうかは、治療が完了してひとまず5年間再発のないこと
がんが治ったかどうかを判断するには、画像検査(CTやMRI、PET/CTなど)や血液検査(腫瘍マーカーなど)でがんの疑いがない(少ない)ことを確認しなければなりません。そして、治療が完了してから5年間がんがないことが確認できると、一般的に「治った」と判断されます。病院への通院も終了して、あとは定期的に健康診断を受けましょうと言われるかもしれません。
もちろん、これはがんの種類によっても違います。例えば、乳がんは手術後10数年たって再発することもあります。だから、乳がんの場合は5年では治ったかどうかの判断はできず、もっと長く治療を続けたり、もっと長く経過を見守る必要があるのです。
けれど、他の多くのがんは5年間が一つの目安です。手術や抗がん剤、放射線によってがんの治療をして、うまくがんの治療ができたら、その後、5年間再発しないように見守っていくのです。一方、治療をしても明らかにがんが残っている場合は、治療が続くことになります。

微小ながんは免疫細胞が排除してくれる
手術でがんをとりきっても、抗がん剤や放射線で見かけ上がんが消えたとしても、ある程度進行したがんの場合は、画像検査では見つけられないような微小ながんが血流やリンパ流にのって散らばっており、体に残っていることが多くあります。
早期がんの場合は、がんがその部分にだけとどまっていることが多いので、手術で取り切れれば、微小ながんを体に残さず治療できる可能性が高いのです。
では、ある程度進行してしまったがんの治療後に残存する微小ながんに対して、どうすればよいのでしょうか?これには、免疫細胞が重要な働きをしていると考えられています。そもそも、人間の体には日々異常な前がん細胞が出現していますが、こういった細胞は免疫細胞によって排除されているのです。
つまり、適切にがん治療が行われた後は、①がんを育てないような食事・生活習慣を意識して行うこと、②免疫を落とさないようにすること、この2点がとても重要になります。