がんサバイバー 悪性リンパ腫

ファイル3 悪性リンパ腫(びまん性大細胞型B細胞リンパ腫) 自然改善例

投稿日:2019年7月12日 更新日:

60-70代の女性。

この方は、抗がん剤などの薬物治療を行っていないにも関わらず、改善がみられている方です。

長く胃痛症状が続いており、胃カメラが行われました。胃の粘膜がえぐれたような潰瘍状の病変があり、当初は胃がんが疑われました。しかし、病理検査により胃原発の悪性リンパ腫(びまん性大細胞型B細胞リンパ腫)と診断され、他の転移のない限局期とわかりました。

びまん性大細胞型B細胞リンパ腫は悪性リンパ腫の種類の一つで、発生頻度の高い病型です。びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の治療は、通常、抗がん剤治療が行われ、これに放射線療法を併用することもあります。進行例であっても治癒が望める腫瘍であり、限局期なら5年生存率は80%以上を期待できます。

しかし、この方は抗がん剤の副作用を心配し、行わずにまず様子をみることを望まれました。この方が行なったことを下記に書いていますが、驚くことに1年後の胃カメラでは潰瘍状の病変は改善し、消失しています。その後も経過観察が続けられています。

☆5年以上が経過していますが、定期的な胃カメラ検査で病変は消失したままであることが確認されています(治ったかどうかという判断は難しいため、引き続き経過をみていく必要があります)。

この方が取り組んだ主なことは、食習慣の改善でした。具体的には、ケーキや甘いものを頻繁にとっていたのをやめ、野菜・果物をしっかりとるようにしました。食事の変更と共に、尿のpHが7-8に上昇していることが確認されています。また、梅製剤のサプリメントやナツシロギクという抗炎症のサプリメントもとっていました。







-がんサバイバー, 悪性リンパ腫

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。

関連記事

「治らない」と言われながらも、がんを乗り越えた人、がんと共存している人

がんを乗り越えた人たちは存在する 「もう治りません」という状態から良くなった方、がんはあるけれどほとんど進行しない方に出会うことがあります。こういった普通では考えられない経過の方は、他の人と何がちがう …

ファイル2 膵臓がん ステージIV

50-60代の女性。胃痛のような症状があり調べたところ、膵臓に腫瘤がみつかりました。同時にCT検査も行われ、精査の結果、膵臓がん、多発肝転移、ステージIVと診断されました。膵臓がんの治療成績はまだまだ …

ファイル8 子宮頸がん術後、多発転移

40-50代の女性。この方は、肝転移や腹部リンパ節転移、骨転移がありましたが、徐々に改善しています。まだ腫瘍は残っていますが、落ち着いています。子宮のがんには、子宮頸部にできる頸がんと子宮体部にできる …

ファイル1 肺がん ステージIV

70-80代の男性首のところにしこりがあり、精査の結果、肺がんのリンパ節転移、ステージIVと診断されました。肺がんの場合、EGFR遺伝子変異があるとイレッサやタルセバ、ジオトリフ、タグリッソといった分 …

ファイル5 乳がん 手術後再発(多発肺転移)

30-40代の女性。乳がんと診断され、腫瘍を部分的に切除する手術が行われました。乳がんの手術は、しこりを含めて乳房を全部切除するか、しこりのところだけ部分的に切除するか、大きく分けて2通りの方法があり …

Dr. Hamaguchi(医師、医学博士)

  • 日本内科学会総合内科専門医
  • 日本呼吸器学会呼吸器専門医
  • 日本がん治療認定医機構がん治療認定医
  • ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
  • がんの炎症・代謝を考慮したがん治療やがんに関する情報についての発信をしています。

著者紹介はこちら↓

http://dr-hamaguchi.com/author-profile/