がんと食事・生活習慣

アルカリ化食(アルカリンダイエット: Alkaline diet)とは?

投稿日:

食事によって、からだに酸性の影響を与えるもの、アルカリ性の影響を与えるものがあります。

がん細胞の周囲は酸性になっていること、その酸性環境のために免疫が働きにくくなったり、治療が効きにくくなることがわかっています。

では、この酸性を中和することはできるでしょうか?

アルカリ化食の定義

わたしたちの研究グループでは、アルカリ化の影響を与える食事を、アルカリ化食(アルカリンダイエット: Alkaline diet)と定義しています。

具体的には、1日に少なくとも野菜・果物を400 g以上とり、肉食・乳製品をなしにした食事です(実際には、採血データを見ながら個々によって微調整します)。そして、上手にアルカリ化食がとれているかは、尿のpH値を確認します。少なくともpH 7.0以上が目標です。尿のpHは、測定するタイミングによっても大きく変わりますが、通常、5.0-6.0程度であることが多いです。

下記は、2018年のサンデー毎日に掲載された食事がpHに与える影響の表です。

まずは尿pHのアルカリ化を目標に

からだの細胞は毎日の食事から作られ、日々代謝が行われています。食事によって、尿のpHが変わることがわかっています。

しかし、がん細胞周囲の酸性環境にどの程度の影響を与えるかはわかっていません。がん細胞周囲のpHを直接測定するのはまだ難しいのです。

ただし、アルカリ化食によって尿のpHが上昇する。ということは、尿に排出される酸性物質が中和されている、からだにアルカリ性の影響を与えているということが予想できるのです。

参考文献)RemerT,etal.J Am Diet Assoc. 1995;95: 791-797.







-がんと食事・生活習慣

執筆者:


  1. […] 物をしっかりとって、酸性作用の肉類や乳製品を控える食事です(アルカリ化食(アルカリンダイエット: Alkaline diet)とは?も参照ください)。ここでは、特に重曹について説明します。 […]

comment

メールアドレスが公開されることはありません。

関連記事

がんを減らす食事、生活習慣

がんの原因は、遺伝よりも喫煙や食事・肥満などの生活習慣が多くを占めていることがわかっています。2007年に世界がん研究基金(WCRF)と米国がん研究協会(AICR)によって詳しいレポートが報告されてい …

がん予防、抗がん作用が期待できる食品(栄養成分)

食品の中には、がん予防や抗がん作用が期待できるものがあります。食品には様々な栄養素が含まれており、がんリスクに対する作用を完璧に解明することは困難ですが、ある程度有効な成分がわかっているものもあります …

がんになる原因は?

・がんができるまで・がんは遺伝するか? がん家系とは?・がんは生活習慣病である がんができるまで 人間が生きてくためには、食事を摂取して体内でエネルギーを作り、体内に不要となった物質を排泄するという代 …

和田屋のごはん

がん予防やがん治療のための体質改善を目的とした、具体的な食事のメニュー本です。この食事メニューは、アルカリ化作用のある食事でもあり、アルカラインダイエット(アルカリ化食)とも呼ばれています。この食事メ …

アルカリ化療法(アルカリ化食 + 重曹)

がんは、正常細胞とは異なる環境、つまり、がん微小環境(Tumor microenvironment)を形成しています。がん微小環境の大きな特徴は、解糖系の亢進と主にNa+/H+ポンプによるがんの細胞内 …

Dr. Hamaguchi(医師、医学博士)

  • 日本内科学会総合内科専門医
  • 日本呼吸器学会呼吸器専門医
  • 日本がん治療認定医機構がん治療認定医
  • ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
  • がんの炎症・代謝を考慮したがん治療やがんに関する情報についての発信をしています。

著者紹介はこちら↓

http://dr-hamaguchi.com/author-profile/